独立後のための対策と準備。
美容室の経営で失敗してしまう主な原因と理由

  • 2022.03.31
  • 2022.02.23

店舗経営・運営ノウハウ

これから独立し、美容室を経営しようと思っている方に立ちはだかる壁の1つが「経営」になります。今まではいわば美容室で髪のカットなどの本業に集中していれば良かったことが、独立をし自分のサロンを立ち上げるとこの経営が付きまといます。

どれだけしっかりと対策や準備をしていたとしても、失敗したらどうしよう…と不安になってしまうものです。また、実際に他の店舗や独立した人たちはどう対策をして準備をしていたのか、などを知りたいと思っている方も多いかもしれません。

今回は逆から考える美容室の経営が失敗する原因についてを見て行きたいと思います。独立後の対策について詳しく紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

開業後の美容室の経営が失敗してしまう理由とは

開業後の美容室の経営が失敗してしまう理由とは

うまくいかなかった理由をあげれば、当然それぞれのケースで異なります。
この理由だからうまくいかなかったという原因が、どの美容室でも同じだったかというとそんな事はあり得ません。

店舗の立地や客層などそれぞれ個々のケースで異なってきます。
しかしながら、よく紐解いていくと、意外と共通してこの観点が抜けていたという共通になりやすい失敗の原因も多く見つかります。

今回は、そんなポイントを見て行きたいと思います。

そもそも経営(準備)資金が足りていなかった

独立して自分のお店となると、理想を追い求める傾向が強くあります。
自らが気に入った最高の美容室を作りたい!と思い、そのための内装や設備にお金をかけるという方も非常に多いです。

もちろん、それ自体が悪い事ではありません。
お客様にとって良い内装、良い設備を備えた美容室やサロンというのは悪い事ではありません。

しかしながら、その内装や設備に投資しすぎてしまい、経営資金が足りなくなってしまうというのは本末転倒とも言えます。そうなれば、ハコだけが豪華でお客様が来ないとなり、経営が続けられず廃業するしかなくなります。

実際、1年以内に6割、3年以内に9割が廃業していると言われている業界です。
そして、その廃業する理由のほとんどが、最初の利益が出る前に美容室の経営資金が尽きてしまうという理由なのです。

資金はあるに越した事はありませんが、無尽蔵に沸いて出る物でもありません。
できることなら、しっかりコツコツ貯めて、最初の1年間は赤字になっても良いくらいの準備を整えておきましょう。

事前に1年間経営に必要な資金を準備しておくと良いです。
資金以外にも実際に美容室で働いてる美容師と経営者のマネージメントは、必要な知識が違うので、そういった知識も事前に学んでおきましょう。

宣伝するための資金がない

先ほどもお話ししましたが、独立して自分が気に入った美容室を作りたいと思うため、内装や設備にお金をかける方が多いです。しかし多くの方が勘違いしてしまいがちですが、オープン=お客様が来るというわけではありません。

もちろんネット通販などと違い美容室やサロンは道路に面した店舗を構えるため、前を通るお客様に気付いてもらう事はできるかもしれません。しかしながら、知らないお店にすぐお客様が来るかというとそう簡単にスムーズに進むはずはありません。

ついこだわりのためにオープン前に資金を多く費やしてしまい、オープン後の事を考えていない方も多いのです。そのため、オープン後に知ってもらうための宣伝するための資金が足りず、美容室をオープンしても、たくさんの方に美容室が知られていないためお客さんが来ません。

その結果、最初に述べたように結果として資金が足りなくなってしまう…となってしまう事もあります。

トップスタイリストに頼り依存しすぎてしまう

美容室の経営がある程度上手く回り出すと、本店以外に支店や2店舗目といった事を考えることもあるかもしれません。

例えば、店舗にたくさん稼いでくれるトップスタイリストが2人いたとしましょう。
これなら支店をオープンしても、支店に1人だけトップスタイリストを移動させる事になり痛手は少ないと感じるかもしれません。

しかしながら、そのスタイリストに付いている常連のお客様は、目当てのトップスタイリストがいる支店に移動してしまうのは間違いありません。

そして、移動してしまうと、必ずしも常連のお客様が皆来てくれるわけでもありません。距離の問題やタイミングなどによって、競合店に乗り換えをされてしまう可能性も十分にあります。

そうなってしまうと、トップスタイリストの売上が分散してしまい、全体の売り上げが下がってしまう事があるので注意が必要です。

支店などを考えなかったとしても、オーナー以外のスタイリストに依存してしまうと、そのスタイリストが退職や独立をしてしまったとしたら、一気に常連のお客様がごっそり減ってしまう事にもなります。

ある程度、お客様はスタイリストに付くものではありますが、偏りすぎて依存してしまうとリスクがどんどん膨らんでしまうのです。

ターゲットが広すぎる

経営をしたことがない場合、ターゲットを絞り込まず、なんでもかんでもサービスの対象としてしまう事が多いです。

気持ち的にはわからなくないのですが、誰でも良いからとにかく来てほしい!という形にしてしまうと、結果として、他の美容室と差別化するのが難しくなってしまい、その他大勢の美容室という枠にはまってしまいます。

そうなってしまうと、他のお店と差別化するために価格を下げたりといった苦肉の策を取ってしまい、さらに価格を安くしても良い美容師がいなければ、お客様に来てもらう事はできないため、どんどん経営が厳しくなる可能性が高いです。

ターゲットを狭めすぎてお客様がいない

ターゲットを広げすぎるとダメと記載しましたが、その逆のターゲットが狭すぎてもそれはそれで経営に甚大な影響を与えます。
ターゲットを狭めすぎると、今度は当てはまるお客様が少なくなってしまいます。

ターゲットを決める時は、売上がある程度見込めるくらいのお客様がいるのかどうか、事前に確認するようにしましょう。

仮に薄毛や白髪染め専門店をオープンしようと思っても、構える店舗の周りが学生が多いところだと、そもそもミスマッチになってしまいますし、年配の方が多い地域でないと難しくなります。

また、通っている事を他の方に知られたくないという思いから、行きたくても行けないという方が多い可能性もあります。いくつか候補を考えて、その中から2つか3つくらいターゲットを決めるようにしましょう。

地代家賃が高すぎる場所に店舗を構える

美容室やサロンというのは、どうしても立地に大きく左右されます。
そのためできるだけ良い立地、自分が考えるサービスに適した場所に店舗を構えたいと思うものです。

そういった事から、店舗を構える際には立地を考えに考えた上で、物件を決めていくことになりますが、そもそも先ほどのターゲットが決まっていない状態で選ぶと仮に駅前の良い立地で美容室をオープンしたとしても、後から決めたターゲットに当てはまるお客様が少ない可能性もあります。

例えば学生がメインの美容室とした場合、どうしても1人当たりの単価は低くなりがちです。
にも関わらず、駅前の改札すぐの一等地に店舗を構えてしまうと、売上に占める家賃の割合が非常に高くなってしまう可能性が高くなります。

立地はもちろん大切ですが、立地を重視してしまい、高い物件を借りて、経営資金のやりくりが大変になってしまうと、最悪の場合、経営が頓挫してしまう恐れもあり注意が必要です。

美容室の経営で失敗しないための対策と準備

美容室の経営で失敗しないための対策と準備

どういった理由で失敗しているのかというのを見た後は、今後はではどう対策していけば良いのかを見ておきましょう。

宣伝資金も準備する

どうしても美容室のオープンとなると、先ほども述べたように、つい内装や設備といった”見える部分”に資金を投資しがちです。
しかしながら、オープンしてからの方が資金というのは多く必要になってきます。

よほど既存客やリピーターなどのお客様が多くいて、独立後スムーズに集客できるというのであれば問題ありませんが、多くの場合そうはなりません。

そのため、美容室をオープンしてたくさんのお客様に来てもらうためにも、ある程度の宣伝資金を準備して、お店を知ってもらう事から始める必要があります。

一般的にはSNSで美容に関する事を発信したり、ホームページを作成したりして宣伝するといったところからはじめる事が多いです。

今ではSNSは当たり前になりつつありますし、親近感を持ってもらえるような投稿で集客にも使えますし、お店の前を通った人やチラシなどを見て店舗名で調べてもらった時に、しっかりと知ってもらうためのホームページを用意しておくといったところなどからはじめましょう。

付加価値がある美容室など差別化を考える

美容室を経営をしていく上で、大切なのは他の店舗と何が違うかという点です。極端な話、同じことがもっと安くできるのであれば、お客様はそちらのお店に通ってしまいます。

他の美容室ではなく、自分達の美容室・サロンに来てもらうためには、他の美容室とは違う付加価値や差別化をしたり、利便性を良くしたりする事で、集客に成功しお客様がきてくださりリピートに繋がって、利益を得る事ができるのです。

定額のメニュー、前髪カット、ヘッドスパ、眉カット、などのメニューがあると定期的に通ってくれる可能性が高いので取り入れる事をおすすめします。

固定客になってもらえるような工夫をする

美容室など店舗型のビジネスは基本的にはどれだけリピーターになってもらえるかというのが重要になります。

美容室をオープンしてから新規のお客様ばかりを集めていると、悪い事ではありませんが、経営という視野で見た場合、あまり良いとは言えません。

まずは来て貰おうと初回の割引クーポンを発行すると新規のお客様の来店は増えますが、固定客になってもらえるような工夫をしない限り、2回目の来店をしてもらう事は難しいです。

お客様が求めることは千差万別で、地域や年代などによっても様々です。
価格を重視する方、技術を重視する方、会話を重視する方、雰囲気を重視する方など様々です。

お客様が求めているものは何かを考えながら、リピーター、固定客になってもらうための施策をしっかりと考えていきましょう。特にニュースレターはお客様との関係性作りに非常に役立ち、リピーターになってもらうための施策に最適な施策の1つになりますので、おすすめです。

アットホームな店舗作りをする

現在は様々なところで自動化、機械化、オートメーション化が進んでいます。
美容室も例に漏れず、様々なところで効率化が求められてもいます。

現在は、自動でシャンプーをしてくれたり、髪を乾かしてくれたりする機械があるので便利な一方で、美容室に行ってスタッフと会話する事を楽しみにしているお客様も非常に多いです。
あえてアットホームな店舗作りをするのも良い戦略です。

支店を増やさない

1店舗目の美容室をオープンしてから、2店舗目、3店舗目と支店を増やすのは基本的には正解です。しかしながら、増やすということはリスクを抱えるという事でもあります。

少ない人数で美容室を運営していた場合、新店舗の売り上げを確保するために、売上のあるスタイリストを新店舗に移動させるという手が取られやすいですが、そうなった場合、1店舗目の売上は当然ながら下がってしまい、経営に打撃を与えてしまいます。

そうならないために支店を増やさず、1店舗目で業務の幅を広げるというのも1つの手になります。

美容室などハコモノ系は、どうしても上限ができてしまいます。
ブース席が埋まってしまったりスタッフ以上の人数の予約を取ることはできません。

しかしながら、業務の幅を広げる事でお客様1人あたりの単価を上げることは努力次第でも可能です。いきなり支店を考えるのではなく、そういったリスクの少ないところからやってみるというのも安全経営のためには必要になる場面も出てきます。

どうしても支店を作りたいとなる場合は、人材育成をしっかりとしてから、支店に移動してもらうようにするようにしましょう。人材育成をしないまま、支店に移動すると、結果的に集客が分散してしまい、経営が上手く行かない事があるので注意が必要です。

物販で利益を得る

美容室には、専用のシャンプー、トリートメントなど、いわゆるプロ向けの商品が様々あります。美容室は、美容のプロが接客という事になり、その道のプロがおすすめする商品だからとお客様に売れやすいものでもあります。

もちろん、営業されるのを嫌うお客様も多くいらっしゃいますので、そのあたりはただ売れば良いというわけではなく関係性やコミュニケーション、営業能力も必要にはなってきます。

なかなか売れなくて悩んでしまった場合は、カラーリングをしたお客様には、カラーリング剤が長持ちするようなシャンプー、リンスをすすめると良いかと思います。

売っている商品の違いなどを説明したり、お客様が使っているシャンプーとの違いや、お試しでサロン内で使って頂いたりなど試行錯誤していきましょう。

物販が軌道にのれば経営の安定化は一気に進みますので、なるべく取り入れて売っていけるようにチャレンジしていきましょう。

美容室に行きたくても行けない人にサービスを提供する

今までの美容室というのは店舗を構えてお客様に来て頂くというビジネスでした。
しかしながら、最近では病院や施設にいて美容室に行けない方などの所に美容師が訪問してサービスを提供する美容室も増えています。

これからの時代、高齢化というのはさらに進んでいきます。
その一方で美容室というのは減る傾向は無いため、若いお客様を取り合いになる事が容易に想像できます。

そうなってくると、早い段階から人数が多い年配層をターゲットにするというのも経営的な視点で考えると非常に理にかなっており、一定の利益を確保しやすくなります。

カラーリングをしたり、髪を整えたりする事は、認知症予防にもなり、そういった意味でも高齢者をサポートする事ができます。他の美容室との差別化をするためにも美容師が訪問してサービスを提供するのは、良い方法とも言えます。

集客できなくて悩んでいるならネットの活用を

集客できなくて悩んでいるならネットの活用を

独立した美容室のオーナーの多い悩みの1つは集客になります。
技術には自信がある、来て貰えさえすれば…と日々思っているオーナーの方が実は非常に多いのです。

それくらい、集客に困っていたり悩んでいる方が特に独立したばかりの場合は顕著に見られます。

今ではなるべく費用をかけずに宣伝、集客を狙う方法はネットを使って行う事ができます。
自分達のホームページ、SNSアカウントを使って宣伝やアプローチをしていくのは必須とも言えます。

できるだけお金をかけずに集客するためにホームページを作成したり、できるだけ業務を少なくして人件費をかけないようにするために予約システムを導入してみると良いかもしれません。

まとめ

今回は、美容室経営が失敗する原因と独立後の対策について詳しく紹介しました。

先人たちが失敗してしまった原因を知る事で、独立後の対策を立てやすくもなります。
独立したり自分で美容室を経営をしようと思うと、ついつい自分が描いてしまう理想を追求しようとしてしまうものです。

もちろんそれ自体が悪い事ではありませんが、どうしても現実では費用など金銭面との折り合いが必要な場面が多々生じます。

設備、機材、人材、集客と独立してからは技術の事だけを追求すれば良いというわけではありません。いかに店舗をうまくまわしてお客様を集客し固定化しリピートしていただき利益を取っていくかというのを考えなくてはなりません。

美容室の経営で失敗してしまう原因と対策を知って、今後の美容室の経営に役立てていただければと思います。

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